SBI証券より「SBI・Vシリーズ」という新たなファンドが誕生しました。
2021年6月15日より募集が始まります(6月29日から実際に買えます)。
このファンドは、世界最大級の投資運用会社である米国バンガード社のETFを組み入れたファンド(投資信託)になります。
”シリーズ”と冠する理由は、3つのファンドがあるからです。
しかも、そのどれもが超低コストです。
本記事では「SBI・Vシリーズ」の3つのファンドを紹介していきます。
また、ライバル楽天証券のファンドとの比較もしていきます。
どうぞ最後までご覧ください。
出典:SBI証券
「SBI・Vシリーズ」の3つのファンドとは
「SBI・Vシリーズ」は以下の3つのファンドからなります。
- SBI・V・S&P500インデックス・ファンド
- SBI・V・全米株式インデックス・ファンド
- SBI・V・米国高配当株式インデックス・ファンド
それぞれ順に見ていきましょう。
SBI・V・S&P500インデックス・ファンド
概要
実は3つのうち、これだけはすでに運用されている既存ファンドで名前が変わっただけです。
元は「SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド」と言い、2019年からあります。
今回、Vシリーズのリリースに伴い改称されました。
投資対象
主となる投資対象は「バンガード・S&P500 ETF(VOO)」です。
つまりこの投資信託を買うことで、「VOO」を買うことになります。
じゃあ、ETFの「VOO」を買えばいいじゃん、という考えも浮かびますが、投資信託には以下のようなメリットがあります。
- 金額を固定して購入できること。(ドルコスト平均法)
- 少額から購入できること。
- 分配金を出さずに元本に組み込むことで、複利効果が高くなること。
- 分配金再投資の手間がかからないこと。
ちなみに、ETFの「VOO」の購入は1株約40,000円(6/15時点)が必要になります。
なかなか資金的にもハードルが高いですよね。
「VOO」を少額から買いたい、定額で積み立てたいという方にはうってつけのファンドです。
経費率
「SBI・V・S&P500インデックス・ファンド」の経費率は年0.0938%程度です。
投資信託として、とても低く抑えられた経費率です。
一方、本家バンガードの「VOO」の経費率は0.03%程度ですが、ETFと投資信託は経費率だけで単純比較できません。
前述のような投資信託のメリットもありますので、ご自身のスタイルにあったほうを選ぶことが重要かと思います。
SBI・V・全米株式インデックス・ファンド
概要
このファンドは新登場となるファンドです。
米国全体に投資したい方向けのファンドとなります。
投資対象
主となる投資対象は「バンガード・トータル・ストック・マーケットETF(VTI)」です。
「VTI」はS&P500よりその対象が広く、全米約3,600社へ投資を行います。
投資先として米国を選ぶが「500社よりもっと幅広く分散投資がしたい!」という方にぴったりのファンドだと思います。
なお、「VTI」は1株約24,000円(6/15時点)です。
「VTI」を少額から買いたい、定額で積み立てたいという方向けのファンドです。
経費率
経費率は年0.0938%程度です。
とても低い経費率です。
こちらも「VOO」と同様、投資信託にはそのメリットがあるので、経費率だけで本家ETFと単純比較できません。
SBI・V・米国高配当株式インデックス・ファンド
概要
新登場のファンドとなります。
高配当ETFに投資するファンドです。
個人的にはちょっと微妙と感じています。
投資対象
主となる投資対象は「バンガード・米国高配当株式ETF(VYM)」です。
「VYM」は高配当銘柄の約400で構成されたETFで、配当の高さが魅力です。
たくさん配当金を貰うキャッシュフロー狙いの方向けのETFです。
本ファンドはそんな高配当ETFを組み込んだ投資信託となるわけですが・・・。
気になる点
気になるのが配当金(分配金)の有無です。
そもそも投資信託には分配金を出さないものがあります。
投資信託のメリットでもある(分配金を出さずに元本に組み込むことで)複利効果を高めるためです。
そして高配当ETFは分配金(キャッシュフロー)を目的に投資するものです。
分配金がほしいのに分配金が出ないファンドを買うのはおかしな話です。
もちろん、「VYM」のキャピタル益を狙うことができますが、それなら「VOO」や「VTI」でもよいのではないでしょうか。
「SBI・V・米国高配当株式インデックス・ファンド」は分配金を出すのでしょうか?
本ファンドに関しては、分配金の有無が投資判断になるかも知れません。
経費率
経費率は0.1238%程度で、ほかの2つよりやや高い傾向にあります。
ですが、「VYM」の経費率も0.06%と「VOO」、「VTI」より高いです。
ライバル楽天証券との比較
楽天証券にも米国ETFに間接的に投資するファンドが存在します。
すでに楽天証券でそれらを買っている人はどうすればいいのでしょうか?
結論(すでに楽天で買っちゃってる人向け)
ちょっと様子見してもいいと思う、です。
投資対象が同じなので、勝負の分かれ目は主に経費率になります。
現時点では楽天が劣勢ですが、今後値下げしてくることも考えられます。
ライバル商品一覧
両社で販売してる各ファンドは以下の通りです。
投資対象 | 楽天証券 | SBI証券 |
VOO | 該当なし(※) | SBI・V・S&P500インデックス・ファンド |
VTI | 楽天・全米株式インデックス・ファンド | SBI・V・全米株式インデックス・ファンド |
VYM | 楽天・米国高配当株式インデックス・ファンド | SBI・V・米国高配当株式インデックス・ファンド |
※2021年6月15日時点で、「VOO」に投資するファンドはありません。
VTIとVYMの経費率を比較していきます。
※以降は各ファンドを「楽天・VTI」、「SBI・VTI」のように表記していきます。
「VTI」への投資ファンド
ファンド | 信託報酬 | 実質コスト |
楽天・VTI | 0.132% | 0.209% |
SBI・VTI | 0.0938% | 未定 |
「楽天・VTI」は2020年7月の運用報告書のものです。
「SBI・VTI」はまだ運用が始まっていません。
そのため実質コストは未定ですが、同程度の隠れコストが上乗せされても「SBI・VTI」が安くなりそうです。
今後、もしかすると「楽天・VTI」が信託報酬を下げることも期待できます。
すでに「楽天・VTI」で運用をしている方は暫く様子を見てもいいと思います。
「VYM」への投資ファンド
ファンド | 信託報酬 | 実質コスト |
楽天・VYM | 0.132% | 0.29% |
SBI・VYM | 0.1238% | 未定 |
「楽天・VYM」は2020年7月の運用報告書のものです。
「SBI・VYM」はまだ運用が始まっていないので、実質コストは未定です。
こちらのコストも「SBI・VYM」に分がありますね。
肝心の分配金ですが「楽天・VYM」では分配金を見送っています。
「SBI・VYM」でも同じような運用方針になる可能性はあります。
まとめ
ポイントは以下の3点です。
「SBI・Vシリーズ」は超低コストでバンガード社の人気ETFに投資信託のメリットを活かした投資が可能です。
とくに「SBI・VOO」と「SBI・VTI」は、米国株に投資したい方は選択してもいいかも知れません。
「SBI・VYM」は分配金の有無が気になります。
すでに運用されている「楽天・VYM」に倣うと分配金が出ない可能性もあります。
楽天・VTI」を運用している方は「SBI・VTI」にすぐに乗り換え不要だと考えます。
なぜなら「楽天・VTI」がコストを下げてくる可能性があるからです。
最後までご覧いただきありがとうございます。
投資は自己責任でお願いいたします。
また、ファンドのコストや運用方針は最新の公式情報を確認するようにお願いいたします。
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